Area Trout
実戦の判断とプロト。つながり、勝機へ。

Lago Sistoriccio, Alife, Campania, Italy

実戦の判断とプロト。つながり、勝機へ。

[ イタリア / カンパニア州 / アリフェ / シストリッチョ湖 ]

皆さん、こんにちは。
ValkeINフィールドアングラーの
パスクアーレです。

2026年10月4日、
シストリッチョ湖で開催された
「PRO SPIN Opening Season」に
参加しました。

新しいシーズンの開幕に合わせ、
池には通常よりも多くの魚が
放流されていました。

一方で、
以前から池に残っている魚は
少ない状況です。

当日は強い日差しがあり、
気温も季節平均を大きく上回る
暑い一日となりました。

大会は全12ラウンド。

この条件で重要になると考えたのは、
魚を掛けるまでの速さと、
安定して数を重ねること。

まずはテンポよく
魚をキャッチしていく
組み立てからスタートしました。

序盤はギガバーストでテンポを作る

大会序盤に選んだのは、
ギガバースト2.8gのIT-02。

ギガバーストを選んだ理由は、
はっきりとした強いアクションで、
魚に素早くルアーの存在を
気づかせることができるからです。

特に今回は、
自分の立ち位置から近い範囲を
狙っていく釣り。

短い距離でも魚の注意を引き、
すぐに反応させることを
重視しました。

さらに2.8gであれば、
途中で魚のレンジが変わった場合にも
対応しやすいと考えていました。

第1ラウンドは、
わずか8分間。

岸から約10mほどの範囲へ
短いキャストを繰り返し、
約23匹をキャッチ。

第1ラウンドを
勝ち取ることができました。

遠くへ投げるのではなく、
魚を掛けてから
次のキャストへ移るまでの時間を短くする。

高いテンポを維持することを
意識した結果です。

魚が沈み、ブラックブラストへ

しかし第3ラウンド頃から、
魚の活性は大きく
落ち始めました。

そこで投入したのが、
ブラックブラスト1.8g。

IT-02、
IT13-PI、
IT-AT。

この3色をローテーションしながら
魚の反応を追っていきます。

この頃になると、
魚はそれまでより
深いレンジへ移動していました。

そこで一度ボトムまで沈め、
そこから巻いていく展開へ。

魚のいるレンジと
反応するカラーを合わせながら
釣りを続けることで、
第7ラウンド頃まで
高いキャッチ率を維持し、
勝利を重ねることができました。

ただ、
少しずつ変化も現れます。

ブラックブラスト1.8gへの
バイトそのものが減り、
さらに、
バイトはあっても
フッキングまで持ち込めない魚が
増えてきました。

掛からない魚を見て、プロトタイプへ

ここで投入したのが、
ValkeINと開発を進めている
S.B.プロトタイプです。

今回使用したのは、
「H」タイプ。

ブラックブラスト1.8gに近い
アクションを持ちながら、
よりコンパクトなシルエットで、
さらに遅いスピードでも
アプローチできる。

バイトはあるのに
掛けきれなくなってきた魚に対して、
巻く速度を落とし、
より確実に口を使わせたい。

そう考えたことが、
このタイミングで
プロトタイプを投入した理由でした。

結果、
S.B.プロトタイプを使って
3ラウンド連続で勝利。

開発してきたものが、
実際の大会でも機能することを
確認することができました。

FとH、ふたつの方向性

S.B.の開発では、
特に良いと感じていた
2種類のプロトタイプがありました。

「F」と「H」です。

Fは、
横方向へのスライドが大きいタイプ。

魚の活性が低く、
プレッシャーが高い状況では
とても良い反応を見せます。

その一方で、
効果的に使える条件には
少し限りがありました。

Hは、
より安定したアクションを持ちながら、
巻くスピードや
ロッドの角度によって
動きを変化させることができます。

魚の活性がさらに落ちていく中でも、
私は巻き速度とロッド角度を
少しずつ変えました。

魚の反応がどう変わったのか。

その変化を見ながら、
その時の魚に合わせていきます。

状況の変化へ対応できる幅の広さ。

それがHを開発する中で
求めていた特徴のひとつであり、
今回の大会では、
その狙いが実戦の中でも
機能していることを確認できました。

自分以外のアングラーでも釣れるか

ただ、
今回もっとも大きな収穫だったのは、

自分がHで魚を
キャッチできたことだけではありません。

会場にいた、
釣り方も考え方も異なる
複数のアングラーにも
Hを使ってもらいました。

すると、
その人たちも
S.B.プロトタイプで
魚をキャッチしました。

これは私にとって、
とても重要なテストでした。

自分が設計し、
開発してきたルアーを、
自分とは違うスタイルの人が使っても
魚を釣ることができる。

その光景を見ることができたのは、
本当に嬉しい経験でした。

誰にでも扱いやすく、
さまざまな状況で
高い性能を発揮できるスプーン。

開発当初から考えてきた方向性が、
間違っていなかったと
感じることができました。

さらに穏やかなアクションへ

プロトタイプで釣ったあと、
次に選んだのは
シャイラ1.2gでした。

この時に変えたかったのは、
アクションの強さです。

プロトタイプよりも
さらに穏やかなアクションを見せることで、
活性が落ちた魚へ合わせていきました。

もうひとつの理由が、
カラーの選択肢です。

S.B.プロトタイプは
まだ開発途中のため、
現在持っているカラーサンプルは4色のみ。

そこでシャイラ1.2gの
IT13-PIとIT04-ACを使い、
アクションだけではなく、
魚に見せるカラーの幅も
広げることにしました。

魚の状態に合わせながら、
違う方向から反応を探っていきます。

スプーンへの反応が止まった終盤

大会終盤になると、
魚はスプーンに
ほとんど反応しなくなりました。

そこで今度は、
ルアーの種類そのものを変えます。

最初に選んだのは、
ヘイズDD。

この頃には、
深いレンジでのバイトが
多くなっていました。

ヘイズDDなら
深いレンジへ入れながら、
幅広い水深を探ることができます。

どのレンジに
まだ積極的にルアーを追う魚がいるのか。

それを探すことが目的でした。

10投ほどする中で、
巻き始めて数回転したところで
複数回のバイトが出ました。

この反応から、
深いところだけではなく、
中層にもまだ活性のある魚が
残っていると判断しました。

DDで見つけ、ナノSSで狙う

そこで次に、
ヘイズナノSSへ変更しました。

ヘイズDDで広くレンジを探ったことで、
魚が反応する位置が
見えてきています。

今度はその位置を、
よりピンポイントに狙っていく。

ヘイズDDで魚の位置を探し、
ヘイズナノSSで
その魚へ合わせていく。

この切り替えによって、
大会終盤にも
さらに魚を追加することができました。

開発中に描いたものが、実戦で形になった

今回の大会では、
1度の引き分けを除き、
すべてのラウンドを
勝つことができました。

もちろん、
大会で勝てたことは
とても嬉しく思っています。

でも今回、
それ以上に大きかったのが
S.B.プロトタイプの実戦テストです。

開発を進めながら
私が頭の中で考えていたことと、
実際の大会で起きたことが、
とてもよく一致していました。

プロトタイプを投げる時に、
使うことへの迷いは
一度もありませんでした。

キャストするたびに、
開発段階で目指していた特徴が
きちんと水中で表現されている。

そう感じることができました。

頭の中にあるアイデアを、
実際のスプーンという形にする。

そして、
最初に思い描いた通りの性能を持たせ、
実際のフィールドで結果につなげる。

これは決して
簡単なことではありません。

今回、そのイメージを形にできたのは、
ValkeINの技術と、
開発に携わるチームの力が
あったからこそだと感じています。

自分が思い描いていたものが
ひとつのルアーとなり、
大会という実戦の中で
期待していた性能を発揮した。

さらに、
自分以外のアングラーでも
魚をキャッチすることができた。

今回の大会は、
勝利だけではなく、
これまで進めてきた開発の方向を
確かめることのできた
大切な機会になりました。

S.B.プロトタイプの開発は、
まだ続いています。

名前の公開も、
もう少し先です。

このルアーを
世界のさまざまなアングラーに
使ってもらえる日を楽しみにしています。

S.B.の旅は、
まだ始まったばかりです。

[ ITEM ]

SPOONS:Giga Burst 2.8g / Black Blast 1.8g / S.B. Prototype H / SCHEILA 1.2g
HARDBAITS:Haze DD / Haze nano SS

[ INFO ]

TOURNAMENT:PRO SPIN Opening Season
DATE:2026年10月4日
WEATHER:晴れ / 季節平均を大きく上回る高温
FORMAT:12ラウンド
RESULT:優勝(11勝1分)

[ ANGLER ]