【フィールドレポート】ー北海道 道東湿原河川のアメマスを求めてー サイトウリュウヤ
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、この文章をご覧になっている多くの方が思うことはこんなことでしょう。
「お前、誰だ?」
ですので、ここで改めて自己紹介をさせていただきます。
ー自己紹介ー

サイトウ リュウヤ(リューヤ)
•管理釣り場「多摩湖フィッシングエリア」ディレクター
•釣り堀カフェ「キャッチ&イート」ディレクター
•フィッシングコーディネーター
•フィッシングフィールドアドバイザー
•アウトドアファッション誌 GO OUT 連載コーナー「GO OUT釣り部」部長
・アウトドアファッションブランド「NATAL DESIGN」フィッシングアンバサダー
・フジボウアパレル「BVD」fishing style アドバイザー
・埼玉県入間漁業協同組合 理事
・NPO法人 飯能釣り振興会 理事
そして、2025年8月よりヴァルケインのネイティブブランド「レベルオンディーヌ」にて、
“ネイティブフィールドメッセンジャー” という少し変わった肩書きで協力させていただくことになりました。
僕が人生のテーマとしている「楽しい釣り」を、ヴァルケイン製品と共に皆様へお届けできればと思っています。
ー僕の仕事と釣りへのスタンスー
メインの仕事は「みんなが楽しく過ごせる釣り場」をつくること。
そして日々、釣り未経験の方を「釣り人」にすることです。
釣り好き。というより「釣り道具好き」。
カッコいいと思える道具でスタイルのある釣りをすることが僕の釣りのテーマです。
「いっぱい釣る」よりも「楽しく釣る」を重視。
海・川・湖を問わず、時間があればルアーやフライで身近なターゲットを狙っています。
埼玉県飯能市在住、2児の父。
これが、今の僕のプロフィールです。
皆様どうぞよろしくお願いいたします。
ーここで一つだけー
この釣行記を読まれる方の中には少し違和感を覚える方もいるかもしれません。
ヴァルケイン代表の菊地栄一氏は、立場が変わっても僕にとっては昔と何も変わらない「釣り仲間」です。
ですので、釣行記では親しみを込めていつも通り「菊地くん」と呼ばせていただきます。
もしかすると無礼に見える場面もあるかもしれませんが、そこは僕らしさとしてお許しください。
ーヴァルケインの人として初釣行ー
そんな僕のヴァルケインでの初釣行は、菊地くん、吉田くんと共に訪れた北の大地・北海道道東の河川でした。
狙いは、海から遡上してきた60~70cmクラスのアメマス。
初めて立った道東のフィールドは、湿原の中を細かく蛇行しながら、力強くもゆったりとした流れで僕らを迎えてくれました。
ータックルー

・ROD: Valkein / DainsleiF Ondine 7’05M
・REEL: Daiwa / 20 LUVIAS FCLT2500S
・LINE: VARIVAS / STA MAX POWER PE X8 1.2
・LEADER: Nylon 16lb
ヴァルケイン「ダーインスレイヴ・オンディーヌ」シリーズは、一般的なネイティブトラウトロッドでは考えられないほど軽量です。
これが僕が一番に推したいポイントです。
とはいえ、軽量ロッド特有の「薄くて不安」という感覚は皆無。
実際に手に取っていただければすぐにわかるはずです。
今回の相棒はシリーズで2番目に長いモデル。
7ft5inという長さを感じさせない軽さながら、魚を掛ければロッド全体を曲げて戦えるテイストの一本です。
ーファーストフィッシュと衝撃のバイトー
ファーストフィッシュはフィガーNTsでした。

サイズこそ40cm弱と可愛らしいものでしたが、やはり最初の1匹は特別に嬉しいものです。
その後は同サイズのアメマスに遊んでもらいながら、唐突に事件は起こります。
倒木が入り組み、通常なら「キャスト不能」と思えるポイントへ、菊地くんのミラクルキャストが決まりました。
ルアーはもちろんフィガーNTs。
奥の奥、想像以上に奥深くへ届いたルアーの3~4アクション目。
突如、モンスターがルアーをひったくり、淡水とは思えないほどのドラグ音が響きました。
魚は倒木を挟んで下流で大暴れ。
これまで見たことのないほどの水しぶきでした。
結果、キャッチには至りませんでしたが、この1匹でメンバー全員の士気が一気に上がりました。

こうした衝撃的な体験こそ、北海道という広大なフィールドに足を運ぶ理由なのだと思います。
そしてこの後、僕はこの旅で心強い仲間と出逢います。
ーハイドラム100sー
道東の湿原河川での釣りの多くはダウンクロスからどダウンでの釣りになります。
そしてその釣りスタイルとベストマッチするルアーこそ何を隠そう、この"ハイドラム100s"だったのです。
渓流ルアーとしては凄く特殊なサイズ、そして形状。
自分も、この旅で投げ倒すまで、正直どう使うのが正解なのか大いに謎だったハイドラム100s。
その不安を一気に消してくれたのはナイスサイズのニジマスでした。
ダウンクロスでリーリングせずにドリフト。
ベストなラインに到達したらそこからスーパースローリトリーブ。
時にはそこからテンションを掛けながらの送り込み。
ハイドラムはしっかりと流れを掴み、ロッドに波動を伝えてくれます。
レンジが入りすぎてる場合は軽くフワッとアクション。
するとほんの少し姿勢を崩し、10センチほど浮き上がります。
完全に本流のシンキングラインを使ったウエットフライの釣りです。
僕自身、トラウトの釣りはルアーフィッシングはもちろんですが、フライフィッシングもそこそこ本気で楽しんでいる人間です。
いままで、ルアーフィッシングとフライフィッシングの共通点は多々感じて来ましたが、ここまで釣り方がリンクする事はそうないです。
ここでハイドラム100sを解説させて頂きます。

全長100mmの3連結ジョイントシンキングミノー。
ルアー自体のアクションは大きいですが、そこを3連結ジョイントがうまく抑えてくれるので、スーパーハイアピールと言う感じではなく、あくまでナチュラルに魚を誘ってくれます。
うまく流れを掴むと、想像以上に深いレンジまで到達しますが、ボトムコンタクトしてもスタックする事なく、いい意味で姿勢を崩しながらその時々のボトム付近を釣ることの出来る、かなりオートマチックなルアーです。
ですが、オートマチックとは言え、ベストなレンジ、ベストな流速、ベストな抵抗で使用するにはそこそこなルアー操作能力も必要としますし、そこを探る事がこのルアーを使う上でのの最大の楽しみ方だとも思います。
ハイドラムでの道東初フィッシュはナイスコンディションのニジマスでした。

着水点、ドリフトのトレースコース、そこからのリーリングライン。
何度もキャストを繰り返して5、6投目で食って来てくれました。
そして、この1匹のおかげで、確実に信じれるルアーとなったハイドラムは次々に良い魚を連れて来てくれる頼もしい相棒になったのです。

50オーバーのアメマスも理想的なトレースラインで。
その後も大小様々な素敵な魚達を釣りあげる事ができました。
そしてこんな珍しいお魚まで登場です。
スナヤツメ
道東湿原河川ではしばしばメインベイトにもなるドジョウやヤツメウナギ。
このスナヤツメの登場で、また一つハイドラムの価値が上がります。
まあ実際は、そんな単純な事ではない事も知ってます。
ですが、魚釣りを楽しむ上で「物語」「ストーリー」は大切です。

ーラストを飾った魚ー
そしてこの旅のラストに現れたのは、63cmのナイスコンディションのアメマスでした。
サイズだけを見れば、過去にもっと大きな魚は数え切れないほど釣ってきました。
ですが、思い入れのあるルアーで、信頼するタックルで、素敵な仲間と共に立った特別な土地でキャッチできたこの1匹は、まさに神様からの贈り物のように感じました。
信じられる道具と仲間がいてこそ、僕の「楽しい釣り」は成り立ちます。
今回釣り場を案内してくれた後輩の石井くん
そして素敵なロッジを使わせて頂いた中山師匠。

本当にありがとうございました。
そして、こんな僕を仲間に迎えてくれた菊地くん、吉田くん。
心から感謝しています。
これからもこんなふうに、釣りの楽しさを表現していけたらと思います。
渓流シーズンも終盤ですが、皆さまどうぞ楽しい釣りを。
僕も皆さんと同じように、シーズンラストを大いに楽しませていただきます。
と言うか、もうすでに楽しませて頂いていますけどね。
まあその模様はまた後日という事で。

では、今回の旅のお話はこの辺で。
The Adipose Fin Journey
~アブラビレを探す旅~
ヴァルケイン
ネイティブフィールドメッセンジャー
サイトウリュウヤ